風力発電はクリーンだからといって、どこにでもつくって良いの?

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風力発電が地域にもたらす問題点Information

風力発電が足もとの地域にもたらすさまざまな問題を列挙しています。
ただし、そのすべてが必ず起こるというわけではありません。
立地条件や地形によって起こり得る影響の内容も変わってきます。
自分たちの地域やご自身の家にはどのような影響が起こり得るかを、こちらのページの情報を参考に冷静に考えてみてください。


穏やかな暮らしの喪失 豊かな自然の喪失 多くの誤解と隠れた問題点

穏やかな暮らしの喪失Loss of a peaceful life


穏やかな暮らしの喪失

風車が人家に近い場合に生活へ影響を及ぼす可能性が高いのは【1】騒音(耳に聞こえる音)です。愛南町の事例(120m規模の風車)では2km以内であれば音が聞こえます。地方の山村は市街地と違い人工的な騒音が圧倒的に少ないからです。夜寝る際に風車の音が気になるので窓を開けられなくなったという方もいます。
【4】人間の耳では知覚できない超低周波音に関しては、環境省は「風車の超低周波音で健康被害は生じない」という主旨の公式見解を出しています。しかし、人間が知覚できるかどうかに関わらず音は物理的な振動であるため、長期間曝露することで睡眠障害などの健康被害が生じる可能性があることは誰でも容易に理解できるでしょう。
ただし万が一被害が生じたところで、【6】事業者が国の見解を覆してその因果関係を認める可能性は限りなく低く、その立証責任は被害を訴える住民側に求めれるため、現実的に不可能に近い状況です。なぜなら、「自身の体の不調と風車の超低周波音の因果関係を認めて診断書を書いてくれる医療機関」「超低周波音の測定を依頼できる専門家」「調停や裁判で事業者と争える弁護士」それらを自前で依頼する「資金力」と「時間」と「闘い抜く根気」の全てが有しなければいけないからです。
事業者は地域が風車建設に同意すると【7】協力金を支払ってくれることも多く、それを“アメ”として風車を受け入れてしまう地域も少なくないですが、そもそも地方にとっては【8】過疎化・少子化こそが集落存続の最大の問題点であるにも関わらず、生活環境が悪化すればそれらの流れに拍車をかけることになり、取り返しのつかない集落衰退の決定的な要因になり得ます。

豊かな自然の喪失Loss of rich nature


豊かな自然の喪失

「環境に優しい」といわれる風力発電ですが、開発される現地の自然環境に対しては決して優しくありません。
【1】猛禽類をはじめ稀少な絶滅危惧種の鳥などがブレードに衝突して死んでしまったり、【12】その森を生息地としていたさまざまな動植物の住み処を開発で奪ってしまいます。
計画地の多くは【15】保安林に指定されてこれまで森を守るために決して開発が認められなかった山々でありながら、それを再エネ普及のための規制緩和で【14】東京ドーム何個分にも及ぶ大面積を切り開きます。自然が失われるばかりか山の保水力や災害緩和能力が損なわれ、盛り土や切り土で土砂災害が発生リスクを高めます。
また、日本の原風景ともいえる自然豊かな山村に計画されることも多く、【10】50~60階建てビルに相当する巨大な人工物が数十基も立ち並ぶ景観が日本中に広がる事態を果たして「景観は個人の感じ方の問題」で切り捨てて良いのでしょうか?

多くの誤解と隠れた問題点misconceptions and problems


多くの誤解と隠れた問題点

東日本大震災の原発事故以降に再エネの普及が進んだこともあり、いまだに【19】「脱原発のために再エネ普及に協力しなければいけない。」と考えられている方も多いですが、あくまで経済産業省の考える再エネは位置づけは「温室効果ガス削減のため」であり、脱原発は一切考えられていません。
導入が進む風力も太陽光もその主な計画地域は地方の山間部や海岸部ですが、例えば四国では現状でもすでに電力の3割以上を四国外に融通しており、【20】都市部へ電気を送るためのエネルギー供給地として地方が負担を強いられている構造があります。
そもそも、「地球環境とその生物多様性を守るため」に普及が進められる再エネですが、日本の国が定めている再エネ普及の制度が自然環境保全を二の次にしてしまっており、【24】経済の力(民間企業が投資で儲かる仕組みを作ることで普及を図る)という制度のつくりになっており、これまで法律で守られてきた農地や森林などを規制緩和で自然環境を破壊することを容認してしまっているため、再エネのその本来の意義を失って本末転倒になっています。これまで地球環境を破壊してきた資本主義のロジックで普及を進めていることが日本の再エネ制度の根本的な問題です。